地域のために震災復興事業の紹介記念誌「阪神・淡路大震災の記録」映画「ありがとう」映画「ありがとう」 記念誌「阪神・淡路大震災の記録−鎮魂と復興の願いを込めて−」
     
 
  18章 鎮魂の詩(阪神大震災)
桑嶋 富 泰 
千鶴子 
 
         
 

春はまだ遠い
1月17日未明
安らかな朝の眠りの中で
突然大地が動いた
神戸須磨
ふる里の寺は激しく慟哭して
崩れていった
ああ いとしい息子とあなたを残して
私は天国へ
ごめんね

イメージ

怖い あなた
絶叫して身を寄せてきた
お前
倒れかかった柱の
わずかな位置で
声は途絶えた
ああ そばにいて
無力だった 俺
ごめんよ

心残りの私に
朝夕手を合わせ
話しかけてくるあなた
あの日から
いっそう寡黙になった息子よ
自然のいたずらというけれど
これが私のさだめ
お願いだから
もう悲しまないで

断層の丘に登れば
青い海
紺碧の空
雲は流れて幾年
神戸の街は
悲しみを越えて
甦った
潮風よ
つたえてよ
神戸鎮魂の詩

平成13年3月17日、「阪神淡路大震災の記録」編集会議の帰路、淡路北淡町震災記念公園に立ち寄り作詩

 
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