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| 8章 今思うこと |
善本 正子 |
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長期予報では暖冬と言われていましたが、今年の震災記念日前後は記録的な寒さになりました。 散らつく雪を見ていると、あの時の水くみや銭湯に並んだ列、むき出しの家具や青いシートに積もるシーンをよみがえらせてつらくなります。 大きく揺れたあの時間の長さ、寒かったあの夜の満月、肉親・仲間を失い、家を失い、職場を失った人々の心の揺れは、今でも止まらないと思います。 思い出すと尽きないけれど、私の心は複雑で多くを語りたくない心境です。 6年前の大きく揺れたあの時間と、震災後私たちを見守って下さった人々の暖かさを私は一生忘れない。
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